120705_1430研究室みたいな室内。
と言っても4畳位の狭く細長い部屋で窓側にカウンターの様に机と席があり着席すると窓の外が見える、という配置になっている。机の上には理科室的なアイテムがチラホラ。
窓の外には川が見える。その対岸は工場地帯だった。空は曇り。
私はカウンターに座って外を見ていた。隣に同僚らしき男が座っていたが誰かは分からなかった。
暫くすると空から何か機械的な物がゆっくりと降りてくるのが見えた。
それはボウリングのピンの周りにちょっと錆びた鉄の板を細かく貼り付けてゴツゴツしたミラーボールの様に加工したみたいな形の縦長の飛行物体だった。
全長は5m位。それが2機、グラグラと揺れながら対岸でなく手前の岸にズンと着陸した。
我々2人は何事か?と乗り出して観察してみた。
良く見ると機体の上部(頭みたいな所)が蓋の様になっており、そこから緑色の粉末状の何かが溢れ出ていてそれがそのまま地面に落ちたり風に吹かれて飛んでいったりしていた。
我々2人は夢中になって携帯電話でその様子を撮影した。その直後だ。
研究室に白衣を着た小太りのおばさんが1人踏み込んできた。
「あなた達写真撮ったでしょ?携帯没収します。」
おばさんはそう言って自分の携帯電話で誰かに連絡して「いました…。」みたいに我々を発見した事を報告していた。
私はこのまま没収されるのは癪だったので、おばさんが電話している隙に画像を速攻で(誰か分からなかった)友人に転送した。そして履歴を全て削除した。
電話が終わったおばさんは我々の携帯電話を取り上げ白い布の袋に入れた。
私は「しかしあれは何だったのやら…。」と思い振り返って窓の外を見た。
しかしそこにはもう機体は無かった。
あっという間に回収されたみたいだ。
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