解放治療場にて
ドグマグ疲れ様です。随分久しぶりに夢野久作著『ドグラマグラ』を読み始める。
この本の最後にある著者のご子息である杉山龍丸氏の文の中で好きなエピソードがある。
氏が中学生の頃に父から出版されたばかりの『ドグラマグラ』を渡され読み、その感想として
「お父様、この阿呆陀羅経は長すぎるよ。」
と告げた所、お母様が
「お父様の小説は一般の読者が泣いたり笑ったりするものではない、理屈の多かっちゃん。」
と言ったら父が閉口したような顔で立っていた。というものだ。
作品の内容とは異なる実にホンワカした空気が伝わってくる。
これがバランスという物なのかな?と思った。
『ドグラマグラ』だけでなくどんな作品に触れるにもバランスは不可欠。
そのバランスを保つのは…どんどん難しくなってきているのかな?この解放治療場では…。
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