夢
区民センター、の様な地域の人々が使う施設の中にいる。壁(白)も廊下(両脇10cmが黄色で真ん中は白)もツルンとしていて実に無機質。
私は地下で行われているセミナーに参加(取材?)する為階段を降りている。
目当ての部屋は降りて右手の奥だった。
ドアを開けるとそこには部屋いっぱいに茶色い砂が敷き詰められて、部屋の奥に行けば行く程砂は盛り上がり、見上げる程の砂丘になっていた。
「砂漠か?」
そこに長机と椅子が置かれてあり20人程のスーツ姿の若い男女(就活風)が緊張して座っていたが、暫くすると椅子と机は撤収され、それとほぼ同時に茶色いトレンチコートを来た60歳代の大学教授風の男(髪は長め、無精髭、眼鏡、)が現れた。
彼が現れた途端にスーツ姿の人々は彼を囲み、何か言葉を貰おうとしていた。
「教祖か?」
すると彼は徐に足元の砂から何かを拾い上げて見せた。
「100円玉だ。」
そして彼はそれを人差し指と親指でつまみ「フンッ」と声を上げ、その100円玉を粉々に砕いてしまった。
周りの人々は歓声を上げ彼を讃えた。「奇跡だ!」とか言って…。
その後も彼は人々を引き連れて狭い室内砂漠を周り、100円玉を見つけ拾い上げては粉々に砕いていった。
当然馬鹿馬鹿しく思った私は自分の足元を見て100円玉を探した。
これが結構落ちていた。
そして良く見るとこれが一目で安いプラスチック製の偽物であることが分かり、指で軽く摘まむだけで簡単に木端微塵になる代物だった。
なので私はちょっと先回りして、彼等が来るであろう辺りにポケットに入っていた本物の100円硬貨をばら蒔いた。
暫くすると彼等は「本物硬貨地帯」に入った。そして引き続きその「奇跡」を実演した。
遠目からでも彼が本物を拾い上げのが分かった。
「フンッ」
当然砕けない。
一瞬彼は「まさか」という顔をしたが気を取り直して体勢を整え、今一度指に力を入れた。
彼の指から小さく
「プキ」
という音がした。
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