週末の満席状態の居酒屋にいる。4〜50人の客で賑わっている。
全席椅子で座敷が無い店らしい。
そんな店内の中央にあるカウンターの様な高さの白い机の4人席に私は誰か分からないスーツ姿の男3人と座っている。
周りの机より随分高い机と椅子なので、他の客を見下ろす様に座っている我々はその場では相当浮いた存在であった。
暫く我々4人は世間話をしていたのだが、その話の中で分からない言葉が出てきたのだろうか。私の正面に座っていた男が「調べる」と言ってある物を机の上に置いた。
それは縦20cm×横40cm位の大きさの白い(ちょっと大きな)タブレットらしい。
そして彼は画面にタッチすると触れた指をクンッと釣り上げた。すると画面から、指先を頂点とした山形の立体が伸び上がって出現した。
まるで餅を触った指を引き上げたら指先に餅が付いて、そのままビヨーンと伸びたみたいだった。
彼はその後も両手を使い、画面に触れては立体的に画面を引き上げ、全ての指を駆使し白い粘土の様な画面(もはや「画面」ではないが…)をこねてページをめくったり、揉んだり、広げて伸ばしたりしてネット上の情報を探している様だった。
私はイヤミったらしく「そうして調べるのは良いけど、調べたらちゃんと覚えなよ。」と呟いたら、なんとなく店内全体を敵にまわした様な雰囲気になってしまった。
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