湖畔にいる。
琵琶湖位の大きさの湖の向こうには沈み行く夕日が見える。
湖畔はキャンプ地というよりも旅館や商店街の様な商業施設が多く、この地で宿泊していく旅行者も多いみたいだ。
私は父親と旅をしている様なのだが、この父親は私の実際の父親とは違う人物だった。
茶色のスウェードの上着のその男と私はこの場から去ろうとしていた。
ちょっと歩くと駅があった。
寂れた駅の窓口で駅員に尋ねると、なんともう終電車は出てしまったとの事だ。まだ夕方だというのに!
仕方なく2人は宿を探すことにした。
辺りはすっかり暗くなってしまった。
そんな中ぼんやりとオレンジ色に浮かび上がったたたみ一畳位の布の簾が先に見えた。
そこには(多分)筆でサスサッと読めない(多分)文字が書かれてあった。
そしてその脇から「どうぞ」みたいな顔をした女将が出て来た。

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