(サマソニとかをやっている時の)幕張メッセの会場らしき所にいる。
だだっ広い室内にはびっしりと、そして綺麗な列を作ってハンガーラックに服がかけられてディスプレイされてある。
一瞬だが戦時中の紡績工場にも見えた。
それを一段上の階から見ている一団がいて、私はその中に紛れている。
その一団とは全員男で、皆ネルシャツにブルージーンズハイウエストみたいな冴えない服装の輩ばかりで20人位いた。
雰囲気としては「今か今かと何かを待っている」といった感じだった。
しばらくしたら場内アナウンスが流れてきた。
「お待たせ致しました!それでは御覧下さい。只今午後6時55分です。制限時間は午後7時までです!」
一団からは「全然時間ないじゃないかよ!」みたいな怒号が出たが、なんつっても時間が無いので皆、普段走っていない感じの走りで階段で下に降りて服を物色し始めた。
その頃になると私も状況を概ね把握した。
服の先行展示即売会みたいな物だろう。それに呼ばれたは良いが、5分しか時間くれないってどういう訳だ?
仕方なく私も走り、服を見てみたが何だかやっぱり冴えない取り揃え(色違いのチェックのネルシャツばっかりみたいな)で全く見る気が失せてしまった。
しかし他の人々は必死に物色している。
冴えないネルシャツ着た男達が冴えないネルシャツを漁っている。これでもないこれでもない!みないな雰囲気で…。
一緒、一緒!何選んでも一緒だよっ!って思いながら立っていたら午後7時になりタイムアップ。
男達は「あー!」みたいになっていた。
「残念っじゃねーよ。そんな服どこでもあるわ!でも、あっても選んでんじゃねーよ。」と思った。

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